こんにちは、カッチャンです。
今回は、読書や書評に関する本4冊の紹介です。
最近の読書
死ぬまで面白い本を1冊でも多く読みたい。
すすんでいく老眼と白内障と闘いながら、日々の読書にいそしむきょうこのごろ。
自分の読書ライフをより充実したものとするため、好きな小説の合間に、読書法や書評もよく読みます。
年金生活者となってから、本代節約のため図書館もよく利用します。
今回は、いつもようにフラッと立ち寄った図書館で借りた本を読んだ感想です。
若松英輔著「本を読めなくなった人のための読書論」
著者 若松英輔
1968年生まれ。
批評家、随筆家だそうです。
本書の概要
本書の内容を一言でいうと
本書は本との向き合い方について著者の考えを述べたもの
ということができると思います。
こんな本を読んでみたら?というような、いわゆるおすすめ本の紹介はありません。
本書の目次は
はじめに 読書という不思議な出来事
第1章 待つ読書
第2章 言葉と出会う
第3章 本と出会う
おわりに 読めない本に出会う
本書におすすめ本の紹介などない理由は
簡単に本をすすめられない、と感じるのは、そもそも私自身が、ひとからすすめられた本をあまり読まないからかもしれません。
もう少し簡単にいうと、すすめられた、そのときではなく、しばらく経ってから〜たいていの場合数年後〜読むことが多いのです。
(同書・165ページ)
感想
50歳を過ぎたあたりから老眼のすすみが早くなり、だんだん本を読むのがおっくうになってきました。
読みたい気持ちはあるのですが、すぐ目が疲れる。
本書はタイトルを見て借りました。
「本を読めなくなった人のための読書論」
今のわたしにピッタリのタイトルだったんです。
借りたあとにネットを見たら、本書は2019年刊行でAmazonでの評価は4以上と高い。
期待度MAX。
しかし、あまりうまく言い表すことはできませんが、なんか読書について著者の考えをフワッと述べたもので、今のわたしに刺さるものはありませんでした。
図書館で借りて良かった。
津野海太郎著「最後の読書」
著者 津野海太郎
津野海太郎(つのかいたろう)。
本書の著者プロフィールによれば
1938年生まれ。評論家。
早稲田大学卒業後、劇団「黒テント」演出、晶文社取締役、和光大学教授・図書館長などを歴任。
とのこと。
ウィキペディアには
演劇評論、書籍論などの執筆も行い、2003年、坪内逍遥伝『滑稽な巨人』で新田次郎文学賞受賞、2009年『ジェローム・ロビンスが死んだ』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2019年、『最後の読書』で読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。
と、かなり名の知れた方のようです。
知りませんでした。
本書の簡単な概要
2018年発行。
筋金入りの読書家、ともいわれる著者の読書遍歴・読書案内。
鶴見俊輔著「もうろく帖」を紹介する中で
このときの彼の正確な満年齢は69歳と8ヶ月。
この年ごろになると、体力、記憶力、集中力など、心身のおとろえがおそるべきいきおいで進行し・・・・
(同書・8ページ)
と著者自身の体調について語っている。
ちょうど今のわたしの年齢。
人ごとではなく、まさに著者の言うとおり。
人間ドックを受けるたびに新たな再検査。
「4 目のよわり」の項では
近年、むかしの岩波文庫や新潮文庫のような、小さな活字をぎっしり詰めこんだ本がうまく読めなくなった。
(同書・47ページ)
同感です。
本書の評価
本書を読めば、著者がいかにすごい読書家なのかがわかります。
「すごい人だなあ」とは思います。
ただ面白い本が読みたいわたしとは、読みたい本の方向性が異なるような気がします。
Dain著「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」
本書もタイトルに惹かれて借りました。
著者 Dain
本書のプロフィールによれば
古今東西のスゴ本(すごい本)を探しまくり、よみまくりる書評ブログ「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の中の人、〜中略〜ブログに書き続けて10年以上になる。
感想
本書を読むと、著者がかなりの読書家であるかがわかります。
それもちょっと特異な本までも読みこなしている。
また著者は古典について
「古典は若いうちに読むべき」
「読む価値とトシは関係ない」
(同書・190ページ)
と主張する。
まあ、著者のいうとおりなのでしょう。
そして、「いきなり古典に行く前に(同書・190ページ)」
まずEテレの「100分de名著」シリーズをすすめる。
これにも同感。
実際わたしも、現在「歎異抄」からはじまって同シリーズを何冊か読みすすめている最中です。
最後に、巻末に特別付録として
禁断の劇薬小説+トラウマンガ
として、LEVEL1〜LEVEL3まで、24冊が紹介されています。
わたしはそのうち、LEVEL3の
「消された一家 北九州・連続監禁殺人事件」豊田正義著
という本を持っています。
「持っています」というのは、まだ読んでない。
というより、パラパラとめくって読むのをやめています。
著者が、読んだらトラウマになるかも、とおすすめする24冊。
興味を持たれた方はどうぞ。
池澤夏樹著「いつだって読むのは目の前の一冊なのだ」
やはりタイトル、とくに「〜なのだ」に惹かれて借りました。
分厚くて、値段も高い。
とても新刊本では買えません。
「〜なのだ」というとマンガ「天才バカボン」のパパを思い出します。
著者 池澤夏樹
池澤夏樹(いけざわなつき)。
本書のプロフィールによれば
1945年生まれ。
小説家・詩人。
1987年発表の「スティル・ライフ」で第98回芥川賞を受賞。
感想
本書は、週刊文春の「私の読書日記」に掲載された16年分の書評集です。
私は書評集が好きでよく読みます。
というのは、自分の知らない新たな本を発見することができるから。
本書は、最後の索引まで含めると700ページ近くもあります。
普段のわたしではまず読まないであろう本ばかり紹介されています。
まあ、週刊文春で本の紹介をするには、ベストセラーやよく知られている本など紹介するわけないか?
一応最後まで目をとおしました。
著者のような頭脳明晰な方であればともかく、わたしのような凡人には少し難しすぎる本が多いようです。
それにしても著者の書評・文章は、著者の頭の良さがうかがえます。
ちょっとわたしとは次元の違う方でした。
本書の値段は3,200円(税別)。
図書館で借りて良かった。